みんなーハロチュッパチャップスレロレロレロ~(*^ー゚)☆
今日は女子が愛を込めたsweetsをスキな男子にあげちゃうシアワセな日!その名もバレンタインデーなのだ☆
みんなはもうチョコを意中のカレにあげたかな??
えー!渡せなかったの?それは残念だね!
で、そのチョコどうするの?え、いやいやいや欲しいとかじゃなくてさ!余ったらもったいないし、ね?俺も一応今年一個も貰ってないからまあちょうどいいかなーみたいな!ねえ、おい!聞いてる!?おーい!
誰もチョコをくれない。
満を持して、いつもよりハイテンションで1日を過ごしてみたものの、全く貰えない。
別にチョコが好きなわけではない。どっちかと言えば嫌いかもしれない。
だが、別にチョコが好きだから欲しいとかそういう問題ではないのだ。
「バレンタインデーにチョコレートを貰う」この事実に意味があるのだ。
この競争社会ではチョコを貰えた者は勝者、貰えなかった者は敗者なのである。
そして今のところの俺は完全なる敗者だ。
だが、俺も男だ。負けたままで1日を終わらすのは胸糞悪い。
そこで俺は考えた。
舞いによって雨が降る「雨乞い」というのがある。
もし、雨乞いが可能なら同じくチョコを降らせることも可能なのではないか?
俺は天才か?ここから俺の「チョコ乞い」が始まる。
まずは、下準備からだ。
最初に神への供物を用意する。
イメージとしては稲穂や清酒が好ましい気がするが、今回はそこら辺に転がっていたカカオ豆を使うことにした。
そして、儀式に必要なものといったらやっぱり火だ。
しかし、家の中で焚き火をするのは危険なのでコンロの火で代用することにした。
次に豆をそのコンロの火にくべ、香ばしい匂いがするまで煎っていく。
豆を煎ったらフードプロセッサーで粉状になるまで砕く。
その後は カカオバター、粉砂糖、粉ミルクをそこに加え、1時間ほど練り続ける。
出来上がったペーストを型に流し込み、冷蔵庫へ入れたら儀式の下準備は終わりだ。
後はここから約3時間、ひたすらに舞うのみだ。
俺は舞った。
こんな風に踊ったところで本当にチョコが手に入るのか?そんな風に、正直半信半疑であった。
しかし、ここで舞わねばならぬという気がしたのだ。
俺は全身全霊をかけ、チョコの神に祈り続けた。命を燃やして舞い続けた。
そして、3時間が経った。俺は成し遂げた。
達成感に打ち震えながら、天を見上げる。
しかしチョコは、降らなかった。
チョコの神は俺を見放したのか?儀式のやり方が間違っていたのか?
いや、そもそもそんなもの自体ないのだ。
なーにがチョコの神じゃ!なーにがチョコ乞いじゃ!
踊ってチョコが降るなら食糧難なんて起きねえんだよ!
そんな風に俺は、己の愚かさを呪った。
なんだか興醒めして、供物(笑)を捨てようと冷蔵庫を開ける。
しかし、そこに供物(笑)はなかった。
代わりにそこには、チョコレート(甘)があった。
Fin.
この文章はフィクションです。チョコ貰えなかった事以外。
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